since090330
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ティプトリーの「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」を再読してて気になったのですが
えーまあこの人の、というかこの時代のフェミ作風云々は他の人に任すとして叙述的な部分を。
↓以下ネタバレを含みつつ↓
「ということで、ぼくらは地球上で大丈夫やっていけるわけだ。問題はない。理屈からいえば、もう一度結婚し、家族を持つこともできる。生まれるのが娘だけにしても。」
X染色体が壊れてしまい人類皆不妊に陥った末、女ばかりになってしまった未来の地球(うらやましい)に漂着する男達の話の中での主人公のセリフなんですけど
息子も生まれるんじゃね?と思うんですよ。可能性として。
もう少し背景を説明すると
①疫病が流行って、人類全部のX染色体が壊れて、遺伝の際子に致死性を与える
②よって子供ができなくなる。のちできるようになるが、女しか生まれない
③トチ狂った男性諸君が戦争起こして人口激減させたあげく男全滅
④女達はクローン技術で生きながらえる
⑤そんななか、三人の男たちが漂着する
という世界なのですが、①をめっさ簡単に図で示すと
X(壊)X(壊)女 ―― X(壊)Y男
↓
X(死)X XY XX XY
死亡 死亡 死亡 死亡
その後②、男性のX染色体に限っては再生産されるため修復され、その修復されたXはX(死)の持つ致死性を打ち消すらしく
X(壊)X(壊)女 ―― XY男
↓
XX XY XX XY
生存 死亡 生存 死亡
となり、めでたく女しか生まれなくなるという筋で、上の主人公のセリフもこの図を踏まえたものです。
でも、そうなると現在地球には「X(壊)X(壊)」の世代と「XX」の世代がおり(おらずとも、主人公らが居るのでこれから作られうる)、このXXな第二世代と(疫病の影響を受けていない)主人公達とが交われば
XX女 ―― XY男
↓
XX XY XX XY
生存 死亡 生存 生存
息子できるじゃん!!!
…とまあ、文中曖昧にぼかされている設定に対して眉唾な遺伝法則でもってマヤカシてるようなもんですが。屁理屈ですね。
が、ここで「息子が生まれる可能性を作者は容れたうえで、あえて無かった事にした」と考えてみます。
そもそも最初の世代の女性がクローン技術で生き長らえているのだから、当然男性もクローンで残ってていいわけで。
けど実際は戦争して全滅。徹頭徹尾争いをもたらすものとして男性は置かれています。
主人公もまた、仲間の男たちの争いに正当防衛という形で加担します。ある女性に「今見た闘いが最後なのかもしれない。」とまでバッサリやられます(苦笑)
「かりにリスクをおかして、ぼくらに同等の権利を与えたとしても、ぼくらに寄与できることがあるのか、だ」
女性たちの世界に対して主人公は自嘲気味に言い捨てます。背中がすすけてます(
もう女性達は、勝手に戦争やって死んだ男達なんて見限って新しい社会を作ってて(この女性社会の描写が面白い)、ホントに男が要らなくなってるんですね。
だから、このさき主人公に息子ができようができまいが、そこになんの意味もない。
ドントビー、仮定さえ無駄、情け無用の徹底排除で文字すら割かれない(ぁ
男の子が生まれたら忌み子として氷河の城から落とすんじゃなかろうかっていう気がします。
と、意図的に話に穴作ってるとしたら徹底振りが恐さ増し増しだよなー
と妄想をふくらませるのでした。
染色体モノとしては同じ本収録の「汝が半数染色体の心」もオススメ。
えーまあこの人の、というかこの時代のフェミ作風云々は他の人に任すとして叙述的な部分を。
↓以下ネタバレを含みつつ↓
「ということで、ぼくらは地球上で大丈夫やっていけるわけだ。問題はない。理屈からいえば、もう一度結婚し、家族を持つこともできる。生まれるのが娘だけにしても。」
X染色体が壊れてしまい人類皆不妊に陥った末、女ばかりになってしまった未来の地球(うらやましい)に漂着する男達の話の中での主人公のセリフなんですけど
息子も生まれるんじゃね?と思うんですよ。可能性として。
もう少し背景を説明すると
①疫病が流行って、人類全部のX染色体が壊れて、遺伝の際子に致死性を与える
②よって子供ができなくなる。のちできるようになるが、女しか生まれない
③トチ狂った男性諸君が戦争起こして人口激減させたあげく男全滅
④女達はクローン技術で生きながらえる
⑤そんななか、三人の男たちが漂着する
という世界なのですが、①をめっさ簡単に図で示すと
X(壊)X(壊)女 ―― X(壊)Y男
↓
X(死)X XY XX XY
死亡 死亡 死亡 死亡
その後②、男性のX染色体に限っては再生産されるため修復され、その修復されたXはX(死)の持つ致死性を打ち消すらしく
X(壊)X(壊)女 ―― XY男
↓
XX XY XX XY
生存 死亡 生存 死亡
となり、めでたく女しか生まれなくなるという筋で、上の主人公のセリフもこの図を踏まえたものです。
でも、そうなると現在地球には「X(壊)X(壊)」の世代と「XX」の世代がおり(おらずとも、主人公らが居るのでこれから作られうる)、このXXな第二世代と(疫病の影響を受けていない)主人公達とが交われば
XX女 ―― XY男
↓
XX XY XX XY
生存 死亡 生存 生存
息子できるじゃん!!!
…とまあ、文中曖昧にぼかされている設定に対して眉唾な遺伝法則でもってマヤカシてるようなもんですが。屁理屈ですね。
が、ここで「息子が生まれる可能性を作者は容れたうえで、あえて無かった事にした」と考えてみます。
そもそも最初の世代の女性がクローン技術で生き長らえているのだから、当然男性もクローンで残ってていいわけで。
けど実際は戦争して全滅。徹頭徹尾争いをもたらすものとして男性は置かれています。
主人公もまた、仲間の男たちの争いに正当防衛という形で加担します。ある女性に「今見た闘いが最後なのかもしれない。」とまでバッサリやられます(苦笑)
「かりにリスクをおかして、ぼくらに同等の権利を与えたとしても、ぼくらに寄与できることがあるのか、だ」
女性たちの世界に対して主人公は自嘲気味に言い捨てます。背中がすすけてます(
もう女性達は、勝手に戦争やって死んだ男達なんて見限って新しい社会を作ってて(この女性社会の描写が面白い)、ホントに男が要らなくなってるんですね。
だから、このさき主人公に息子ができようができまいが、そこになんの意味もない。
ドントビー、仮定さえ無駄、情け無用の徹底排除で文字すら割かれない(ぁ
男の子が生まれたら忌み子として氷河の城から落とすんじゃなかろうかっていう気がします。
と、意図的に話に穴作ってるとしたら徹底振りが恐さ増し増しだよなー
と妄想をふくらませるのでした。
染色体モノとしては同じ本収録の「汝が半数染色体の心」もオススメ。
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